3歳男の子 反対咬合を上顎の発育を促す装置で改善した症例

治療前

治療後

はじめの相談内容 「子どもの噛み合わせが受け口になっているようで気になる」とご相談いただきました。
診断結果 拝見したところ、反対咬合(受け口)が確認されました。
反対咬合とは、本来は上前歯が下前歯の外側に位置するところ、上前歯が下前歯の内側に入り込んでいる噛み合わせのことです。

反対咬合を放置すると、成長に伴って上下の顎のずれが大きくなり、将来的にあごの骨を削るような手術が必要になるリスクがあります。

反対咬合は、下顎が大きく成長しすぎているか、逆に上顎の成長が足りないことで起こる場合があります。
患者様の場合、ご家族に反対咬合の方がいらっしゃるとのことだったので、遺伝的な要因の可能性も考えられました。

3歳はまだ乳歯列期(乳歯のみが生えている時期)であり、顎の骨が活発に成長する重要な時期です。
そのため、成長が続いている今のうちに、顎の成長バランスを正しい方向へ誘導する治療が適切であると診断しました。
行った治療内容 反対咬合を改善するために、3つの装置を提案しました。

①バイオブロック
上顎の発育を促し、顎の三次元的な成長を誘導することを目的とした装置です。
メリット:取り外すことができる。顎の骨の成長そのものを正しい方向へ導くことができる。将来的に顔の骨格を整えることにもつながる
デメリット:装置を作る際に歯型をとる処置が必要であり、3歳のお子さんにはやや負担になる。使い始めは違和感が強く、慣れるまで時間がかかる

②Vキッズ
既製品の装置で、主に就寝中に使用します。
メリット:取り外すことができる。3歳のお子さんには負担がかかる型取りの必要がない。基本的に使用は就寝中のみのため、比較的無理なく治療を進められる
デメリット:オーダーメイドではないため、顎の成長を促す効果が限定的になりやすい。患者様の成長具合によっては、将来的に別の治療が必要になる場合もある

③パナシールド
前歯部の噛み合わせの改善を目的とした、マウスピース型の矯正装置です。
メリット:取り外すことができる。シンプルな形で、お子さまでも扱いやすい
デメリット:主に前歯の向きを整える装置なので、顎の骨を根本から改善したい場合は十分な効果を得られないことがある

ご家族は「骨格的な改善を重視したい」とのことだったため、①のバイオブロックによる治療を希望されました。

ただ、バイオブロックを作るためには歯型をとる必要があります。
そこで、まずは通院に慣れてもらうことを優先しました。

むし歯予防のためのフッ素塗布など、段階的に練習を重ねて診療環境や処置に慣れたころに歯型をとり、その模型をもとにバイオブロックを作製して、慎重に装着しました。
装着時には圧迫感や痛みがないことを確認し、使用方法や管理方法についてしっかりとお伝えしています。

装置の使用を継続していただいた結果、反対咬合の改善が認められました。
最後に、見た目や噛み合わせに問題がないことを確認し、治療を終了しています。
治療期間 約1年5ヶ月
費用 約100,000円
(調整料なし)
治療のリスクについて ・治療中、発音しにくい場合があります
・治療中、舌が動かしにくいことがあります
・治療中、装置によってまれに頬の内側が傷つき、口内炎になる場合があります
・決められたスケジュールを守らない場合、十分な効果が得られない可能性があります
・歯の移動に伴って、痛みや違和感を感じる場合があります
・正しいブラッシングやメンテナンスを行わない場合、虫歯や歯周病のリスクが高まります

治療前

治療中

治療後