7歳女の子 口周りや全身の筋肉バランスを整えるトレーニングでガタガタに生えている下前歯の歯並びを改善した症例

治療前

治療後

はじめの相談内容 「下前歯がガタガタしているのが気になる。噛んだときに下前歯が上前歯の歯茎に刺さり、そこによく口内炎ができてしまう。また、たまに歯ぎしりもある」とご相談いただきました。
診断結果 拝見したところ、噛み合わせが深く、下前歯が捻じれてデコボコに生えていました。 
上前歯はデコボコしていなかったものの、上顎の骨の成長不足が見られたため、将来的に永久歯が生えるスペースが足りなくなるおそれがあります。

患者様は口周りの筋力が弱く口がへの字になっており、笑ったときの口角の距離も通常より狭い状態でした。口周りの筋力低下や歯ぎしりの癖は、顎の骨や歯並びの正常な成長を妨げる原因になります。

患者様は5歳頃からスギ花粉による花粉症を患っていたため、鼻づまりなどの症状によって口呼吸が癖になり、口周りや舌の筋力が低下したと考えられます。

また全身の姿勢を確認したところ、そり腰、ひざが曲がっている、右肩が下がってそれを支えるために頭が左に傾いているなど、さまざまな問題が見つかりました。全身バランスのゆがみが、歯並びのゆがみを助長しているおそれもあります。

以上のことから、全身の筋肉バランスを整えるとともに、永久歯を並べるスペースを確保する治療が必要だと診断しました。
行った治療内容 患者様には、以下の治療方法を提案しました。

・取り外し式のバイオブロック装置を利用して顎の骨を広げ、永久歯が正しく並ぶスペースを確保する。
・歯並びの正常な発育を促すために、口周りと全身の筋肉トレーニングを実施し、根本的な原因になっている筋力低下や歯ぎしりの癖、姿勢のゆがみを改善する。

この2つを併せて行えば、顎の成長を利用しながら治療が可能で、将来的に歯を抜かないで歯並びを改善できる可能性が高まります。
一方、これらの治療は自費診療なので、比較的費用がかかる点がデメリットです。
また、バイオブロック装置を使用する場合は、ご家庭で装置を管理する必要があること、さらにバイオブロック装置の使用もトレーニングも、歯科医師の指導のもとで基本的にご家庭で行うため、ご家族の負担が大きくなる点もお伝えしました。

保護者様は、バイオブロック装置は使わずに筋肉トレーニングだけで治療をがんばりたいと希望されたため、今回はトレーニングのみで治療を進めることになりました。

まず歯科医師および歯科衛生士より、口周りや舌、全身の筋肉トレーニングを指導し、ご家庭で継続していただきます。
筋肉トレーニング中は定期的に通院いただき、経過観察を行いました。

筋肉トレーニングを継続いただいている現在、歯並びは改善傾向にあります。
すべての永久歯が生え揃うまで歯並びは変化し続けるため、今後もトレーニングと経過観察を継続していく予定です。
治療期間 1年3ヶ月
現在も治療継続中
費用 約150,000円
(検査料、診断料、トレーニンググッズ)
別途再診料(トレーニング)
8,000円/回
治療のリスクについて ・決められたトレーニングを指示通り実施しない場合、十分な効果が得られない可能性があります

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