白鳥裕一先生が主催しているスタディグループ「Links」に参加してきました。
このグループでは、歯周病治療、インプラント、矯正、セラミックなど組み合わせて総合的な治療を学ぶことができます。様々な先生方の臨床動画が公開されていたり、症例検討会やセミナーなども行っていたりするため、私も定期的に参加して勉強させていただいています。
今回のテーマは「インプラントアンカー」でした。
インプラントアンカー(インプラント矯正)とは?
皆さんは、インプラントアンカーとは何か、ご存知でしょうか。
インプラントアンカーとは、別名「インプラント矯正」とも呼ばれています。つまり、インプラントを用いた矯正のことですね。インプラントは通常、歯を失ったところにネジを埋めて新しい歯を立てるものになりますが、矯正で使用するのは小さいインプラントです。
「アンカースクリュー」という小さなネジを顎の骨に埋めて、矯正のときに歯を動かすときの支えとします。 インプラントアンカーがあることによって、治療期間を短くでき、動かすのが難しかった方向に歯を動かせるようになりました。また、顎の骨を切るなど侵襲の大きい外科的な手術も必要なくなるため、患者さんの負担も少なくなるのです。
インプラントアンカースクリューには様々なものが開発されています。今回は、従来のものでは使いにくかった点を改善し、臨床に特化した商品を紹介していただきました。
「D-PAS JPスクリュー」
こちらはDouble pitch anchor screwと呼び、頭文字を取ってD-PASと名付けられたそうです。名前の通り、2種類のスクリューピッチ(Dual/Double Pitch形状)を採用されたタイプで、臨床現場の声を形にしたデザインと豊富なバリエーションとなっています。
Medical Screwのエビデンスを受け継いで開発されたものなので、安心して使用することができます。 従来のものより少し長いことで皮質骨、海綿骨の両方で最大の維持力を得ることができ、脱落を軽減します。これにより安定した初期固定が期待できるのです。
そういったことから、これまで難しかった顎の裏側にスクリューを入れることや歯を正中に合わせることが容易になりました。また、噛んだときに上下の歯が触れ合わない開口の症例にも使用しやすいといった特徴があります。
「Type F」
日本製の歯科矯正用のアンカースクリュー。口蓋側 上顎結節部 専用で、スクリューのデザインや埋入部位がこれまでの考え方とは全く異なるタイプのものになります。歯肉部の厚みを考慮したデザインで、ヘッドの部分をより丸く設計されているため、患者さんの違和感を最小限にすることができます。
また、インプラントアンカーの使用法以外にも、難しい症例に対応するときに「ワイヤーだったらどう矯正するか」「インビザラインの場合は?」など、それぞれの治療を得意とする先生方のお話も聴け、大変有意義な時間を過ごすことができました。
このようにして常に知識をアップデートし、日々の臨床に活かしております。
新たな治療方法などご提案できることもあると思いますので、矯正で何かお困りのことがあればいつでもお気軽にご連絡ください。