なぜ虫歯の時にレントゲンを撮影するのでしょうか?
歯の構造はこんなふうになっています。
通常口の中から見ることができるのはエナメル質という部分です。
このエナメル質は人間の身体の中で一番硬い部分で骨より硬い組織です。
ですから虫歯も進みづらい。
しかし、エナメル質の内側にある象牙質はエナメル質のように硬くありませんので虫歯が進行しやすいのです。外から見ると分からないけど実は虫歯になっていることがあります。こういった虫歯のサイズを正確に知るにははレントゲンを撮影しないといけません。
次に明らかに大きな虫歯。
これは象牙質の更に内側に存在する神経と虫歯の距離がどれくらいあるかを知るために撮影します。
そうすることで無駄な切削をせずに、できるだけ神経を残せるよう治療することが可能です。
それでも神経を取らないといけない場合。この時は数枚のレントゲンが必要になります。
神経の通り道(根管)は前歯.奥歯といった部位やその人によって異なります。根管が何本あるかどんな曲がり方をしているかを知るために一枚ではなく角度を変えてもう一枚撮影することで治療の精度を上げることができます。最近ではCBCTという、CTを撮影することにより三次元で根管の形態をとらえることもできます。
最後に神経の通り道(根管)が感染を起こしている時。
この時は根の先に嚢胞という膿の溜まった袋ができています。嚢胞のサイズや根の長さを知るためにはレントゲンが不可欠です。
根管の治療が終わったら緊密に薬が入っているか確認しないといけません。これも口の中からは見えませんのでレントゲンが必要になります。
こうして薬が詰まっているのが確認できたら詰め物を作る治療に入っていきます。